バンクイックと銀行キャッシュフロー

アマゾンの株価

100億ドルというオプション価値が意味するのは、アマゾンは280億ドル規模の投資機会を持っており、その投資プロジェクトの価値(投資が生むキャッシュフローの現在価値)は210億ドルになると投資家が予想していたということであった。しかし、多めに見積もっても過去3年間のアマゾンの投資総額は20万ドルにすぎず、明らかに投資家の同社に対するリアル・オプション価値は過大であった。

結局、2000年に入ると、アマゾンの株価は急落し、2001年初めには1株15ドルにまで下がった。この株価急落の結果、1株29ドルのリアル・オプション価値はほとんど失われたことになる。これまで、企業は事業への投資から投資家が要求する以上の収益率を上げることができれば、価値を創造することができ、企業全体の必要収益率は加重平均資本コストになることを説明した。

この章では逆に企業の投資は所与として、資本構成が変化すると、企業の資本コストや企業価値がどのように変化するかという理論的フレームワークを説明し、企業価値を最大化するような最適資本構成が存在するのか否かについて考えてみたい。まず、完全資本市場の下では、資本構成の違いは企業価値や資本コストにどのような影響を与えるのかについて、理論的に整理する。

次に、法人税や倒産の可能性など市場の不完全性が存在すると結論がどう変わるか考える。さらに、現実の企業はどのような要因を考慮して資本構成を決定しているかについて述べ、最近の日本企業の資本構成の変化をどのように評価すべきかを考える。

資本構成の変化が、企業価値や加重平均資本コストにどのような影響を与えるかについて理論的に整理してみたい。現実の資本市場では、税金、取引コスト、倒産の可能性、取引制約、情報の偏在など企業価値に大きな影響を与える不完全性が存在するが、まず、第1節では完全な資本市場の下では、資本構成は企業価値にどのような影響を与えるかについて考え、次に第2節で法人税や倒産の可能性を考慮すると、結論はどのように修正されるかを見ることにしよう。

また、以下の議論では分析を単純にするために、以下の前提を置くことにする。(1)営業利益の期待値は毎年一定である(2)減価償却は全額が更新投資にあてられ、営業利益=税引前キヤツシユフローとなる(3)利益は全額配当される(4)負債の利子率は毎年一定であるまず、次の数値例を使って、完全資本市場で法人税が存在しない状況での資本構成と企業価値の関係を考えてみよう。

[例1]U社と一社は全く同じ資産と事業内容を持ち、営業利益の期待値はともに300億円である。U社は全額株主資本によって構成されているのに対し、一社は社債(利子率8%)を1,000億円発行している。この時、両社の企業価値はどちらが大きいであろうか。両社の状況は以下のようにまとめられる。

まず、U社の株主資本コスト(株主が要求する収益率)が15%であるとすると、U社は毎年平均して300億円の利益=配当を生み出すので、U社の株主資本の価値は300億円を15%で割った2,000億円になる。U社は負債を持たないので、この値はそのままU社の企業価値になる。

ここで考えたいのは、一社についても負債の時価と株主資本の時価を合わせた企業価値がU社と同じ2,000億円になるかということである。一社の資産から生まれるキャッシュフロー300億円は、上の表が示すように債権者に80億円、株主に220億円と分配されるが、両者を合わせた投資家全体のキャッシュフローは300億円でU社と同じになる。

また、両社は全く同じ事業を営んでいるので、一社の資金提供者全体(株主、債権者)が負うリスクはU社の株主が負うリスクと同じである。キャッシュフローとリスクが同じ投資案件は同じ価値を持つはずなので、一社の企業価値はU社と同じく2,000億円になると考えられる。

それでは、もしU社の企業価値が2、100億円、一社の企業価値が1,900億円(負債1,000億円、株主資本900億円)とU社のほうが一社より企業価値が大きい場合には何が起こるだろうか。次のような2つの投資案を考えてみよう。

[投資案1]U社の株式の10%に投資

[投資案2]一社の株式の10%と社債の10%に投資この2つの投資案のキャッシュフローは次のようになる。この場合、2つの投資案は受け取るキャッシュフローは同じなので、投資額の少ない[投資案2]のほうがより魅力的な投資対象になる。

したがって、投資家はU社の株式を売却し、一社の株式と社債に投資する裁定取引をおこなおうとする。この結果、U社の企業価値は低下し、一社の企業価値は上昇する。このような動きは両方の企業の価値が等しくなるまで続く。

逆に、一社の企業価値が2,100億円(負債1,000億円、株主資本1,100億円)、U社の企業価値が1,900億円と、一社のほうがU社より企業価値が大きい場合には、次の2つの投資案が裁定取引の対象になる。

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